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最終回ディスカッション



目次
自己紹介・環境三四郎によるイントロダクション
論点1:被害者は弱者
論点2:欲望の追及
論点3:データの不十分性
総合ディスカッション

丸山真人佐藤仁小田盛川

総合ディスカッション

Question

 これからディスカッションをしたいと思います。会場の方からも自由に質問や意見を言ってください。


Question

 科学者が審議会においてどのように行動すればよいかということを考えてる。そのような場で科学者が自分の立場に縛られて何もいえないのはおかしいと思うのですが。


Question

 科学ジャーナリストの役割があると思う。内部席にいる科学者はせまい自分の専門のことしか言えないということもあると思うし、自分の立場上何もいえないということもあるとは思う。しかし外部席にいる人たちが、例えば沈黙の春を書いたレイチェルカーソンなどは、科学的な研究に学んで、ここまでのことはいえるのではないかということはあると思う。そのような何もいえない科学者と補完的な役割を科学ジャーナリストが今まで果たしてきたということはあるのではないか。


佐藤仁
Question

 不可逆ということを言っていたが、例えばどういうことがあるのでしょうか。


Question

 いろんなことがあるでしょうね。
 林業というのは職人てきな部分がある。そのようなスキルが一度なくなってしまうと簡単には回復できないということがあると思います。価格が下がったからといってそのような職人はぱっと生まれてくると言えばそうではないでしょう。
 もうひとつはコンスタントな手入れを要するものなので、一度手をぬいてしまうと今まで手入れをしてきたことが台無しになってしまうということがあると思います。生き物を扱っているわけですからそういった性質のこともあるでしょう。
 ですからおじいさんが植えた木を孫が刈り取るというような、長いスパンのサイクルで成り立っていたものというのは現在の大急ぎで成果を出さないといけない市場経済の仕組みで扱うのならば、何か特別な仕組みが必要なのではないかと思います。


佐藤仁
Question

 科学者も人間だから間違うこともあると思う。責任があるから発言できないというのはおかしい。


Question

 専門家としての科学者だけに責任をとらせるのは酷だと言うことはあって、委員会を作ったときにも、ただし科学的に疑わしいところは残るのでそれを使用するのは止めようという決定はできるわけです。
 遺伝子組換え食品をカナダでは認められているが、日本では安全性は証明されていないので認めないという方針をとっている。専門家の中でも意見の違いはあってそれを収束させるような委員会が必要なのではないかといえるのではないでしょうか。


Question

 病院の話が出ましたよね。
 風評被害の話は、病院というのは双方向でどうなのこうなのという段階で勉強できるのに対して、テレビは一方向的なものですね。だからオープンにするということはうまくいくスケールとうまくいきにくいすけーるがあるのではないかと思いました。


Question

 松原先生は不作為に対する責任を認めようということを言っていた。作為によって、つまり報道してしまうことで起こる問題というのは非常に見えやすいものなのですが、不作為による問題はあとになって出てくることだし、見えにくいものだから、マスコミも作為によって起こる問題を軽減するような見方をしようというような見方にコンセンサスを得ることが重要なのではないでしょうか。


Question

 それではそろそろ時間なので終わりにしたいと思います。今日のディスカッションをヒントにしたりして具体的な事例に対して面白いレポートを書いてくださることを期待しています。


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