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関連ページ![]() 活動紹介テーマ講義「環境の世紀」が始まって10年。過去何度か講義内容を出版してはどうかという話があったが、ついに2004年、『エコブームを問う―東大生と学ぶ環境学』と題した本が上梓されるに至った。講義としての「環境の世紀」の内容を本にまとめる作業とはどういうものだったのであろうか。出版責任者の柴山多佳児さん(工学部3年、11期)に話をうかがった。【文責:藤井康平(9期)】 出版に至るきっかけ出版に至るそもそものきっかけは、講義にも出講された家田仁教授(工学系研究科)から「本にしてみませんか?」と持ちかけていただいたことである。講義の準備として柴山さんが家田先生の研究室に伺った際に、出版社の編集者を紹介していただいたところから始まったという。 出版へ向けて出版へ向けての下準備は、テーマ講義と同時並行で進められた。5月に企画書を作成し、7月の出版社内での企画会議を経て正式にタイトルが決まると、8月以降は三四郎内のプロジェクトメンバーがそれぞれ原稿を作成し、11月にはほぼ全ての原稿が揃ったという。その後は講師の先生方にも校正をしていただき、2005年5月に無事刊行する運びとなった。 学生が出版に関るという点について、柴山さんは「そもそも社会経験がない状態で社会と接することになったので、日本の社会の中での常識や通例、マナーをわきまえることが大変だったが、それは同時に良い経験にもなった」と述べている。様々な苦労を経た分、本の中身も密度を含めて自負できる内容に仕上がったそうだ。 出版後の反響無事出版されたあとの反響はどうだったのであろうか?柴山さんによれば、三四郎の内部と外部で反響が非常に異なっているという。三四郎内部からは「タイトルを含め、姿勢が傲慢なのでは」といったような厳しい意見もいくつか見受けられる一方、多くの方からねぎらいの言葉を頂いた。厳しい意見は柴山さんを始め出版に関ったメンバーにとって「外から見た環境三四郎」を考えさせられるものであったという。 三四郎外の方からは本の中身と多様性についてのコメントが多かったそうだ。ただ期待していたよりは反応が薄い印象があるという。 編集する過程で見えた「環境学」柴山さんを始めとした出版プロジェクトメンバーは、出版作業という過程を通して、自分達自身も「環境」について深く考えることが出来たという。「講師の先生方や、三四郎のメンバーなど、それぞれが「環境」ということばで際している対象が一人一人大きく異なっているということを嫌と言うほど実感させられました。それは、環境がもつ本来の対象領域が'Everything Except Me'であるということ、そして、特に研究や企業活動など、何らかの行動に「環境」が関連している場合、そのEverything Except Meの中から一部を切り出していて、その切り出し方は一人一人それぞれ異なるのだということを強く感じました。」という柴山さんの言葉は強く印象に残るものであった。 |