KORABOKS

報告書はこちら(ページ中段活動報告書の項にあります)

活動内容

KORABOKS(コラボックスと読みます)は、“自動販売機横の空容器専用回収ボックスにおける一般ごみの混入問題の解決”をテーマとして、清涼飲料業界のリーディングカンパニーであるコカ・コーラシステム(日本コカ・コーラと全国12 のボトラー社等で構成)と、自動販売機ロケーションの企画・開発の最大手であるアートファクトリー玄(株)と共に取り組んできた、産学連携のプロジェクトです。

街中の回収ボックスの分別状況が良いわけではないことは周知の通りですが、その現状を正確に把握し、状況を少しでも改善することで、リサイクル費用の圧縮、消費者の意識向上を目指す活動です。

KORABOKSの意味とアクター

コラボックスとは、「コラボレーション+(回収)ボックス」という響きと共に、

  • KO コカ・コーラの米国の証券取引上での略称
  • A  アートファクトリー玄
  • KS 環境三四郎
という、3つのアクターの頭文字も織り込んだ名称になっています。

プロジェクトメンバーは、コカ・コーラシステム側が1〜3名、アートファクトリー玄が1名(実は社長さん!)、そして環境三四郎側は主に12〜14期までの10名程度です。三四郎の中でも珍しい、部門横断的なプロジェクトとなっています。

ことの始まり

きっかけは2005年11月、環境三四郎に日本コカ・コーラ(株)から届いた「空容器の適正処理について学生の意見を伺いたい」という1通の問い合わせでした。その後挨拶程度の打ち合わせを数回重ね、2006年4月から本格的に動き出しました。

当初は手探りの状態で始まり、お互いの連携がなかなか上手くいかないこと多くありました。しかし回数を重ねていくうちに、やがて目的意識を共有できるようになり、それぞれの立場から主体的に関わっていくことで、企業のみ、あるいは学生のみによる事業の限界を大きく越えて活動するまでに至りました。

第1次調査(2006年4月〜11月)

2006年4月以降、回収ボックスの中身を実際に調査することを目的として、調査の設計を行いました。具体的には、調査場所(ロケーション)の選定、回収ボックスの状況改善のための対策の考案とその実現可能性の検討、調査内容・手順の確認などです。

そして9〜10月の一ヶ月間、前半は回収ボックスの現状把握としてそのままの状態の一般ごみ混入率を、後半は考案した対策を適用した上で混入率がどの程度変化しているかを調べました。場所は新宿駅付近の4箇所、対策は回収ボックスの見た目が大きな要因となるとの考えから、回収ボックスの透明化及び新品化を行いました。

ところが、ロケーションの選定に不備があったことや、調査期間が短かったこと、調査手順が一貫していなかったことなど、問題点も多く、効果の有無を判定するまでには至りませんでした。とはいえ、前半の現状把握調査は飲料業界の中でも先駆けとなるほど精密なデータを得られ、12月に東京ビックサイトで開催されたエコプロダクツ2006においてコカ・コーラシステムのブースでパネルを出展したり、あるいはコカ・コーラシステムの環境系部署の全国大会において三四郎メンバーが一枠いただいて発表したりするなど、成果も少なくありませんでした。

第2次調査(2006年11月〜2007年9月)

第1次調査の報告書を作成する傍ら、今度はより実効的な調査を行うべく、第2次調査に突入しました。第2次調査では、まず、消費者の意識を正確に把握するため、分別意識や回収ボックスに対する認識を測るインターネット調査(対象:1000人)を実施しました。この調査では、消費者の分別・リサイクル意識が予想を大幅に上回るということが判明した一方、回収ボックスの中身が本当にリサイクルされているか疑問に思ったり、容器は水洗いしなくていいかなど投棄の仕方がよくわからないと回答する消費者も存在し、回収ボックスの中身がきちんとリサイクルさていることを伝えるのが主要な目的となりました。そこで今回の解決策は広報に重点を置き、数種類のポスターを(一枚ずつ)ボックスに取り付けることにより、一般ごみ混入率の軽減を図りました。また、第1次調査で結果の判定ができなかった透明回収ボックスも再度挑戦することとなったほか、調査期間を前回の1.5倍にしたり、ロケーション数を倍増させ充分に吟味したりするなど、第1次調査の反省を生かせるよう努めました(なお、場所は今回は渋谷地区としました)。

結果は、ポスターによる広報は一定の効果が認められるものの、数十パーセントというほどの劇的な効果は表れませんでした。また、透明回収ボックスも思ったほど芳しくなく、「期待したほどの効果はなかった」と判断せざるを得ませんでした。

結局、大々的な解決策が見つからなかったのは残念でしたが、飲料メーカーがこの問題を単独で解決するのは困難であり、小さな改善を積み重ねていくという地道な方法しかないこと、少なくとも意識啓発活動も一定の効果があげられるのではないかということなど、綿密な調査を経てこそ認識できた点もありました。

産学連携プロジェクトの意義

報告書の完成を以って、コラボックスは一段落します。本格的に動き始めてから2年、苦労や困難も多かったですが、普段のキャンパスを飛び出て、そして立場の異なるアクターと共に、社会に直接関わる形で活動できたことは非常に意義深いものでした。今後、また違うテーマで共同事業を行うことも充分にありえることで、(打ち上げなどを含め)せっかく作った企業との「つながり」を、これからも大事にしていきたいと思います。

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