駒場調査組

活動紹介

 「駒場調査組」(通称「こまちょ」)は定期的に駒場キャンパスのごみの調査を行うことで、ごみ分別の現状を明らかにするプロジェクトであり、2007年度から新たに始まった。この新しい試みについて、責任者の内田浩司さん(14期:理科一類2年)と1年生のメンバーである上野真太郎さん、後藤祐平さん、田中裕也さん、雨宮新さんに伺った。
【文責 11期・原祐輔】

駒場調査組とその意義

 駒場調査組の活動の目的は駒場キャンパスにおけるごみの分別率の改善することにある。具体的な活動として、月に一度駒場キャンパスの二箇所のごみ箱を調査し、分別の現状を把握している。過去にも単発で駒場キャンパスのごみの調査を行うことはあったが、このプロジェクトの特徴は定期的に継続して調査を行う点にある。この点に関して、プロジェクト責任者の内田さんは「エコプロ(※1)やKORABOKS(※2)の調査のノウハウを生かしたい」と思っているそうだ。始まってまだ2ヶ月しか経っていないが、5月には5回の重点的な調査を行っており、環境月間に調査の途中結果を展示・発表したい、とのことである。

※1:学園祭での環境対策活動
※2:企業と合同で行っている、空容器回収ボックスへの一般ごみ混入削減を目指す活動

活動の中での出来事とその問題点

 活動をしている中で印象に残っていることをメンバーの人たちに聞いてみたところ「ごみ箱の中身を見ると、ごみを捨てる人たちの思考回路がよくわかって面白い」という答えが返ってきた。たとえば、未開封のお菓子が燃えないごみに捨ててあったり、弁当容器の中に割り箸が入ったものが燃える/燃えないごみに捨ててあったり。過去7回の調査の結果では分別率は50〜70%程度と高いとはいえない。分別が面倒なごみやどの分別なのかわかりにくいごみが大きな割合を占めていて、分別のわかりにくさが分別率の低下に繋がっていると考えられるようだ。また、駒場キャンパスでは建物によって清掃業者が異なるため、活動を円滑に進めるには清掃業者の方との連携は不可欠だという。「活動の中で清掃業者の方とお話する機会があるのは嬉しい」と上野さんは言う。ペットボトルのキャップをはずして捨てるだけで、ペットボトルをプレスするエネルギーが大きく低下すると聞いたときは非常に驚くと同時に、周知徹底が必要だと感じたそうだ。しかし、難しい点も挙がってきた。駒場キャンパスでは2年周期で殆どの学生が入れ替わっていくため、分別意識を定着させるための広報活動を毎年続ける必要がある。この点をどう解決していくかが今後の課題だとメンバーは言う。

今後の方針

 現在は毎月の調査が活動の中心だが年間のデータが集まれば、それらをまとめて学部に提出したいと考えている。もちろん集計したデータだけでなく、調査体験やデータ分析から抽出した問題をピックアップし、改善のための対策を提案したいとメンバーは語る。「自分も大学入学時にはきちんとした分別の仕方が身についてなかった。しかし、プロジェクトに参加することでごみの分別を正確に知ることができた。環境三四郎で学んだことが他の友人たちに自然に広がればといいと思う」と1年生メンバーの田中さんは語った。他人に強要するのではなく、まず自分たちに活動をフィードバックさせる重要性を語るメンバーの姿から、このプロジェクトの今後がますます楽しみになった。

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