第5回講義内容

5月19日

「開発途上国の環境問題」

教 官: 北脇 秀敏
所 属: 東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻
配布物: なし

講義内容
<目次>

<講義内容>

1. 国際環境計画講座

活動の4本柱
(1)教育活動、(2)研究活動、(3)情報伝達活動(ニュースレター)、(4)フィールドでの活動
途上国の問題は、現場に行かなければ分からない。
加えて、大勢の人にその問題を知ってもらうのが重要。
海外の情報の日本への還流(和文)、日本の情報を海外に流し「情報のブラックボックス」を緩和する(英文)のがニュースレターの目的。

2. 途上国の環境問題

日本の環境問題―環境をきれいにしようというもの。
途上国の環境問題―環境衛生、健康・生命に関わる、自然環境よりも人間環境の重視
(1)平均寿命と一人当たりのGDPは比例している。
(2)開発途上国では、伝染病や寄生虫病が死亡原因の多くを占めている。
(3)水供給と屎尿処理の両面が(特に地方で)行き届いていない。―健康に直結
(4)水が原因となる病気
Water-borne diseases ― 糞便等に汚染された飲料水、食料などにより伝搬
(コレラ・チフス・回虫など)
Water-washed diseases ― 水の供給不足による衛生状態の悪化によりもたらされる病気
Water-based diseases ― 水が中間宿主のすみかを提供
(住血吸虫病、メジナ虫病)
Water-related disease ― 水の中で繁殖したベクターによってもたらされる
(マラリア、フィラリア、オルコセンカ症など)

3. 途上国の環境衛生の現状と適正技術

国連の適正技術の定義
(1)Technically viable ― 現地で修理できるような技術。手に入る材料で作る。
(2)Economically feasible ― 安上がりなもの(自分たちで払える)
(3)Culturally accepted ― その土地の文化、習慣にあったもの
(4)Environmentally sound ― 環境にやさしい
環境衛生の現状と適正技術の例(スライドで紹介)
(1)病気 ― ハマダラカ、河川盲目症、メジナ虫
(2)水供給 ― スリランカの地方給水、インドネシアの浄水場、ジンバブエの貯水、バングラデシュの公共水栓
(3)屎尿、雑廃水処理 ― 安定化池、ベトナム、ジンバブエのBlair latrine
(4)ゴミ処理 ― ベトナムの小規模コンポスト