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AGS参加報告

法学部4年 河原 圭

(1)AGSとは

 AGSとは、Alliance for Global Sustainabilityの略。人間地球圏の存続を求める三大学(東大・マサチューセッツ工科大学(MIT)、スイス連邦工科大学(ETH))の国際学術協力のことで、年に1回研究交流がある。今年は1月13日から17日までの5日間、スイスのローザンヌで開催された。最初の2日は学生同士のディスカッション等が行われるpre-meeting、後半の3日が教授中心のシンポジウムやワークショップだった。

 三四郎のメンバーでは、私と林瑠美子さん(工学部化学システム工学科4年)の2人が参加した。


(2) 現地で

 ●一番驚いたこと。

 「とても離れているにもかかわらず、これだけいろいろな人が同じテーマについて考えているんだ!」

 ETHの学生も、MITの学生も、そして私達UTの学生もふだん使う言語は異なれ、考えているテーマや研究手法はかなり共通していると感じた。

 ●ディスカッションのファシリテーターをして。

 4つのトピックについてのディスカッションがあり、私はその一つ「Partnership among Government, Company, NGO and University」のファシリテーターをした。準備は万全であり、全体に対して行う英語のトピック紹介でも自分なりに全力を尽くしたつもりである。英語の発音はうまくないが、「声の大きさだけは誰にも負けまい!!」と心に誓い、うるさいほどの声で紹介した。満足のいく「大声」だった。

 しかし、本番のディスカッションには、筋書きがない。参加者がどのような意見をいうか予想できないし、多様な意見がどのように整理され、まとまるかも分からない。私の英語力からすれば、ファシリテーターの役目は「beyond my ability」であった。(1)聞き取り、(2)表現という基礎能力が足りないのを痛感した。

 ファシリテーターとして、うまく議論を整理できなかった。日本語でさえ議論をまとめるのは難しいのに、英語となっては、「much less in English」である。となりのETHの学生から、「It's time to generate our opinion. And you are the facilitater, aren't you? 」といわれた時の気持ちは、今では思い出したくもない。

 英語力の問題だけではない。自分が「10」のうち「5」しか伝えられない一方で、他の学生が「20」の鋭い意見を言っている時には、愕然とした。同時に「あぁ、こいつらは僕よりも自分を磨いているんだな。すごいな。」と思えた。「私も日本で自分をもっともっと磨かねば!」との思いが積もりに積もった。


(3) 最後に

 世界は広い。日本も広いが、世界も広い。観光旅行では、ただの「Sightseeing」で終わりがちだが、AGSに参加することで、同年代の学生と真剣にディスカッションできる。現在の英語力は関係ない。大切なのは「どれだけの刺激を得られるか。どれだけの刺激を与えられるか。そして刺激をどれだけ成長につなげられるか。」なのだから。




AGS
AGS参加者たちと議論のひととき。







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