ベトナム・スタディーツアーを終えて

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言葉 〜Handicapped Children Village を訪ねて〜

障害児村を訪ねた。

僕らは日本から、日本の文化である折り紙と歌を伝えに来た。
…という名目で、子供たちと遊びに来た。

通常の授業に加えて、この施設では裁縫などの職業訓練も実施している
通常の授業に加えて、この施設では裁縫などの職業訓練も実施している

走り回る子供たち。年齢も体格もばらばらだし、僕らに対しての接し方も人それぞれだけど、みんな元気に夢中で遊んでる。
どこの国でも子供ってのは基本的に変わらないんだな。

ただ、ここには言葉がない。
この子達は何かを伝えるというときに、僕らのように声を上げて、言葉にして伝えることができないんだ。
だとしたら、どうしているのだろう。


恰幅のいい元気な男の子。
おう、君は風船を持っているね。何だいこっち見て。
おい何で逃げるんだよ。

いや、俺のこと指さしてお姉さんに助けを求めなくても。
あいつがいじめるとか言ってんだろ?
何だよ。自分から誘っといて。

そこの小さな女の子は何で泣いてるのさ。鼻水出てるよ。
どうしたの?
泣きやんだ。
大丈夫?よかった。それじゃ。
どこか行こうとしたら、また泣き出すし。
だから何かあったのかってば。とか聞こうとすると、もうけろりとしてる。
と思ったら、ああ、また。

わかったよ。要するにこっち向いててほしいのね。


教室に入って、練習してきたベトナム語の手話で自己紹介する。
こんにちは。僕らは日本から来た大学生です。私の名前は…、年齢は…

自己紹介ではベトナム式の手話を交えて
自己紹介ではベトナム式の手話を交えて

えっと、何で年齢のところでみんな笑うのかな?


今日はみんなで鶴を折ってみましょう。
大げさにリズムをつけて手と目線を動かす。

君は大丈夫?ちゃんとできてる?いいね。じゃ次いくよ。
よかった。みんな結構うまくできてるみたい。
そりゃ真似してるだけだからな。

と思ったら君はなんか斬新な鳥を作り出してしまったね。
みんな見てみなよこいつこんなの作ってるぜ。
ていうかどうやったらこんなになったの。今度俺に教えて。


ほんの数時間しかいられなかったけど、楽しい時間をありがとう。またね。
君も一緒に写真撮ろう。
って、いてて、叩くなってば。何だいきなり。
握手だよ。あーくーしゅ。
いや、だから、本気で叩いてるだろ。力強いな君は。
お返しだ!えい!


ずいぶんたくさん話した一日だった。
これが、言葉だ。


私たちは今回の訪問でこうしたコミュニケーションの原点を体験したわけですが、現地で対応してくださった隊員の理学療法士の方はそうした会話を毎日のように積み重ねてきて、子供たち一人一人のことを本当によく分かっていらっしゃっている人で、頼もしさを感じました。
それでも子供たちのことをもっと分かりたい、だからもっと勉強したい、そうおっしゃっていた姿が印象的でした。
訪問中はもとより訪問の前後の市内での滞在にわたって、現地隊員の方々には様々な面で好意的に対応していただき、大変助かりました。どうもありがとうございました。

【文責:雨宮新(15期)】

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