環境の世紀VIII

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2001年度夏学期に開講した「テーマ講義 環境の世紀VIII」に関する総合サイトです。

活動紹介

 2001 年度夏学期、東京大学駒場キャンパスにおいて環境問題を分野横断的に扱った授業「環境の世紀8」が開講された。「環境の世紀」は今年で8 回目の開講となる。この講義の特徴は講義運営に学生が協力している点である。具体的な協力の形としては、「学生の意見を講義にフィードバックさせるために、責任教官に伝える」「事前勉強会・事後企画の開催」「ホームページ及び講義録作製」「講義当日の器具等の準備」などがある。

 もうひとつの特徴は分野横断的であるという点だ。この講義の分野横断性は、毎回違う講師に講義をしてもらうというオムニバス形式に表れている。毎回出講する講師は環境問題に最前線で取り組んでいる研究者で、それぞれのアプローチやその過程における経験などを語る。学問の細分化が叫ばれている今、まだ専門にとらわれていない1,2 年生の長所を生かし、文系から理系までの広い分野を扱った講義を受けてもらうことによって幅広い教養を得てもらうのが講義のねらいのひとつである。

 責任教官は今年で4 回目となる丸山真人先生、三四郎顧問の後藤則行先生であり、その両教官の下で環境三四郎が2 年生を中心に講義の協力を行ってきた。講義の構想は2000年の9 月から講義自体のコンセプト・出講教官・講義形式等について練られており、前期《課程》の授業として非常に入念に考えたられた講義となっている。

受講生の視点、大切に

 今回の「環境の世紀」のコンセプトについて協力スタッフの間では「受講生の視点」が重要だという認識があった。講義の運営に協力すると同時に受講生である立場から「受講生はいったいどのような講義を求めているのか」「何を疑問に持っているのか」等を昨年の「環境の世紀」でのアンケートをもとに講義に反映させてもらっている。

 それと同時に「受講生に受身になってほしくない」ということも協力スタッフの強い想いとしてある。スタッフの一人飯田康喜さん(理科2類2 年)は「環境問題に対する答えはこの講義を通して与えられるものではない。受講生にはこの講義を材料に一緒に考えてほしい」という。環境問題という複雑かつ広範囲の問題に対しては、短絡的な答えを求めようとしたり、問題の難しさにしり込みしてしまいそれ以上考えることをやめるといったことになりがちだ。

 また、専門に入ったり就職したからといって環境問題自体が終わるわけではない。「社会に出ても環境問題が社会問題の最たるものには変わりない。受講生にはその環境問題に対するいろいろな視点を知ってもらい、将来にも活かしてもらいたい」と、今回のテーマ講義責任者田中敦子さん(理科2類2年)は言う。毎回講義後に行われている質問会では、直接先生に質問を投げかけることもできる。講師とより近い距離で話すことにより「各講師の視点」というものをよりよく知ることができるだろう。

多彩な講師陣や他の活動との連携も

 その幅広い視点を提供する今回の講師陣は多彩なメンバーで構成されている。東大以外から出講された先生には公害の原点とも言われる水俣病に正面から取り組んでこられた原田正純先生(熊本学園大学教授)や宇井純先生(沖縄大学教授)、また東大内では工学部長の小宮山宏先生やタイからの客員教授であるAmnatWongbandit 先生などが、過去の自分の経験、現在の研究内容、未来への展望を若い受講生達に訴えかける。まさに講義名「環境の世紀」にふさわしい内容になっている。

 また今回の講師陣には原田先生、宇井先生をはじめとした「水俣病」を研究テーマとしている講師が多い。そこで去年の1 月から活動が始まっている環境三四郎リサーチセンター(RC)での水俣病に関しての活動報告を、事前勉強会という形でテーマ講義を受講する1,2 年生に行った(別紙参照)。この報告が各講師の話をより深く理解するきっかけになったのではないか。

 昨年に引き続き今年も講義内容をホームページで発信している(本ページ冒頭および末尾のリンク先参照)。これにより受講生は授業の復習ができるし、普段は駒場には足を運べない他大学の生徒や本郷生も講義の内容を知ることができる。講義という枠を越えた議論が期待できそうだ。

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