環境の世紀IX  [HOME] > [メールマガジン・バックナンバー] > 第12号

○●○環境の世紀IX 〜警鐘の時代から実践の時代へ〜 ○●○
                メールマガジン 第12号

    【次回は廣野喜幸先生!】                 2002.7.10
                  < http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/ >
               問い合わせ先は本メールの末尾に記載されています
 ――今回の目次―――――――――――――
・第11回〔廣野先生7/12〕の講義紹介
・第12回〔最終回7/16〕の内容紹介
・第13回〔石先生7/17〕の講義紹介
・第9回〔倉阪先生〕の講義の復習
・第9回〔倉阪先生〕のゼミの内容
・掲示板情報
――――――――――――――――――――

■■第11回の講義(7/12)■■ 

<第11回の講師>
廣野喜幸 先生(東京大学大学院 総合文化研究科)

<講義題目>
「環境にかかわる意思決定はいかにあるべきか再考
                     〜公共空間の創出〜」

<講義イントロダクション>
かつての公害問題と現在の環境問題の違いは何だろうか。
私たちはその違いをいくつかあげることができるだろうが、
その一つは、
公害は現に被害が生じてから問題になったのに対し、
環境問題は現実の被害が精確に確定せず、
被害予測の段階で問題視されている点にあるだろう。
地球の平均気温が上昇しているとして、
それが本当に人為によるかどうかはよくは分かっていないし、
地球の平均気温の上昇が総体として害をもたらすか
利益をもたらすかについても、様々な意見がある。
環境ホルモンは確かに被害が予想されるが、
現実の被害はなかなか確定できずにいる。
このように私たちは、いくつかの環境問題に対して
不確実性のもとで意志決定しなければならない。

また、被害が確定できたとしても、解決は容易ではない。
環境保全か開発か−−往々にして環境と経済は対立する。
つまり、環境保全をはかると経済的に潤わない。
だが、地球温暖化問題における南北対立からも分かるとおり、
貧困がある程度克服されないと環境保全もおぼつかない。
かくして私たちは、いくつかの環境問題に対して
トレードオフ状況のもとで意志決定し、
環境保全を図らなければならない。

これらの状況のもとで私たちが意志決定するためには、
まず公共空間が創出されなければならない。
本講義では、
環境問題における公共空間の創出という課題について検討し、
環境にかかわる意思決定はいかにあるべきかを
再考する予定である。

<参考文献>
・鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』
 ちくま新書(1996)
・廣野喜幸・清野聡子・堂前雅史
 「生態工学は河川を救えるか
 ――科学/技術と社会の新たな関係を求めて」
 『科学』69(3):38-58(1999)

<講義までに考えてきてほしいこと>
公共空間の創出とは、さしあたり、
他人の考えを真摯に受け止め、
自分の考えを陶冶することにあるのではないだろうか。
自分が、異なる意見に対してどれほど柔軟に
とらえることができるかを考えてみてほしい。


■■第12回の講義(7/16)■■
第12回では、今まで出講してくださった講師の方々による、
ディスカッションを行う予定です。
また、6限のゼミでは、各先生方を囲んで、
グループでディスカッションを行う予定です。
出席予定者は以下の通りです。(敬称略)

 安井至(東京大学生産技術研究所、第3回出講)
 林衛(ユニバーサルデザイン総合研究所主席研究員
      ・科学技術広報担当 第5回出講)
 染野憲治(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
      企画課循環型社会推進室室長補佐 第10回出講)
 丸山真人(東京大学大学院総合文化研究科 本講義責任教官)
 廣野善幸(東京大学大学院総合文化研究科 第11回出講)

■■第13回の講義(7/17)■■

石弘之先生の講義は補講期間に行われます。
 《7月17日(水)5限(講義)6限(ゼミ)》
   です。教室はいつも通りです。

<第11回の講師>
石弘之 先生 (東京大学大学院新領域創成科学研究科)

<講義題目>
「環境vs食糧〜二十一世紀のジレンマ〜」

<講義イントロダクション>
世界人口が61億人を超えた地球で、
80年代後半から高まってきた地球環境の危機に加えて、
このところ食糧不安が見え隠れし始めた。
この二つの問題は「あちら立てればこちらが立たない」
トレードオフの関係にもある。
近い将来に、人類は「環境か、食糧か」
の困難な問いを突きつけられるだろう。

<参考文献>
『環境学の技法』 東京大学出版会(2002)

<講義までに考えてきてほしいこと>
「環境」という言葉をもう一度真剣に考えてみよう。


■■第9回の講義(7/5)■■

環境と経済は、ほぼ常に対立すると思われている。
しかし「物」に着目した新たな経済学を考えると、
この対立は解消される。

そもそも、人間の経済活動の目的は、
物質的財によるサービスを享受することである。
物質的財をサービスが詰まった「缶詰」として考えると、
環境負荷減少かつ利潤増加という状態が見えてくる。
この状態の実現には、10つの項目に注意した
環境政策の実施が必要不可欠である。

講義録は近日中にHPにアップされる予定です!


■■第9回のゼミの内容■■

第9回のゼミは、倉阪先生が準備してくださった
以下の設定に基づき、
ロールプレイング形式で行われました。

『時は1995年、地球温暖化防止のために具体的にどのように
行動するかを議論する目的で、
「地球温暖化防止国際会議」が東京で開催された。
会議に参加するのは以下の6団体。
・非EU先進国グループ(アメリカ、カナダ、スイスなど)
・EU
・発展途上国グループ
・OPEC
・島嶼国連合
・国際環境NGO
なお、会議のホスト国である日本は、
中立的な立場でコーディネーターを務める。』

受講生は、くじで3人1団体に分かれ、
それぞれ作戦を立てた後、会議に臨みました。
会議では、日本役を務められた倉坂先生のリードのもと、
活発な意見交換がなされました。

詳しい内容については、近日HPにアップされる予定ですので
どうぞお楽しみに!


 ■■掲示板情報■■

掲示板では、現在こんな議論が行われています!
お気軽にご参加ください。

また、掲示板には、授業後に皆さんに書いていただいた
感想票からの抜粋も掲載しております。(もちろん匿名です。)
あなたの声が掲載されている可能性もあるので、要注目です!

◇第9回の感想票からの抜粋◇

「土地」のconceptをとり入れた「自然に供給される生産要素が
持続的に供給できる範囲内に環境負荷を抑える」って、
ミーコにアドバイスを与えた博士の説明とどう違うの?
(理二・2年)

消費者の欲望や、利益追求型の資本主義経済の枠組みを
維持したままで、経済効率を達成しようとする、
というのは不可能だ、とかライフスタイルを変えなければならない、
とかいう考え方にこり固まっていたところが
私にはあったので、こんなにも実現可能な実効性ある方法が
あるのか、ということに正直感動した。
(文二・2年)

URLはこちら!! ↓
 http://www.sanshiro.ne.jp/bbs/frame.htm?c-board/c-board.cgi?id=e_century


____________________次号予告

 次回発行は、7月17日(水)を予定しています。

 内容は
 ☆第10回〔染野先生〕の講義復習
 ☆第10回〔染野先生〕のゼミ内容
 ☆第11回〔廣野先生〕の講義復習
 ☆第11回〔廣野先生〕のゼミ内容 
 ☆掲示板情報
です。おたのしみに!

____________________インフォメーション

【編集・発行】      環境三四郎
〜環境三四郎は、本講義の企画・運営に協力しているサークルです〜
【環境の世紀】      http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/
【メールマガジンバックナンバーはこちら】   

http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/info/backnumber.htm

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