環境の世紀IX  [HOME] > [教官紹介] > 安井 至

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安井 至


氏名

安井 至 (やすい いたる)

所属

東京大学生産技術研究所

講義内容のイントロダクション

 2000年に、循環型社会基本法ができた。この名前だけを見れば、循環を行うことによって、環境適合性の高い社会ができるように思えるが、その実情は、Reduceを最上位において、Reuseを進め、どうしても仕方のないときに、Recycleを行うということが、趣旨である。ところが、現実的には、まだまだRecycleが主力な手法になっている。
 そもそも循環とは何なのか。循環をさせることが本当に可能なのか。これは、熱力学的な考察から開始せざるを得ない事象である。循環の敵は、エントロピーの発生である。循環に伴うエントロピーの発生とは何か。できるだけ、発生量を抑えた循環を行うには、具体的にどのようにしたらよいのか。
 世の中一般では、このような科学的な考察が行われることもなく、リサイクルの可否をコストが掛かるかどうか、経済システムとして成立するかどうか、といった判断基準で行われている。そのために、「リサイクルしてはいけない」といった本が出版され、結構売れたりする。
 環境科学が目指すべき道は、実は多様に存在するが、その一つの道として、定量的な記述を行い、環境負荷の増減を定量的に議論できる方法を開発することがあるだろう。
 本講義は、リサイクルを題材として、どのようなことが定量的に議論できるかを探 る。


講義までに考えてきて欲しいこと

 リサイクルが必ず環境負荷を下げる訳ではない。しかし、多くの場合、リサイクルをすることが正しいと思う。その理由は何か?


今、興味を持っていること

 非科学的な情報に騙される人が多いのはなぜか。


おすすめの本

 ときどき私のHP(http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/)で紹介している本


先生にとって環境問題とは何か

 遺伝子に組み込まれた欲望と知性(大脳)との戦い


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