テーマ講義 環境の世紀XT

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2004年度夏学期開講の「テーマ講義 環境の世紀XT」に関する総合サイトです。

活動紹介

 テーマ講義とは、東京大学で1,2年生向けに開講される講義の一種で、何らかのテーマについて分野横断的に扱うため、 毎回講師を変えて行うオムニバス形式を取っている。 環境問題を扱った初めてのテーマ講義となった「環境の世紀」が開講されたのは1994年のことであり、 環境三四郎はこの10年間、責任教官のご好意の元、この講義の教官選定から運営にいたるまで深く関わらせていただいてきた。 このテーマ講義に深く関わることで蓄積されてきた知識や、学問・研究に対するモチベーションは、 テーマ講義に関わった全てのメンバーにとって、まさにバックボーンとして活き続けているのではないだろうか。
[記事:竹内文乃(8期)]

今回の特徴

 今年で11回目を迎えるこのテーマ講義のタイトルは、「環境の世紀11〜環境学のスヽメ〜」である。そして、副題は「未来への布石」から「エコブームを問い直す」に変わった。これは、シラバス(時間割、講義予定)にあるように「もう布石を打つだけの時代は終わった」という認識を表しており、環境の世紀が築いてきた歴史の長さを現している。 また、今年は環境の世紀の立ち上げに尽力した山下英俊さん(0期、一橋大学講師)が講師としてその教壇に立つことになったことも歴史の表れであろう。彼と、今回のテーマ講義責任者、鎌田雄一郎さん(11期、理科2類2年)の間にある12の期、ちょうど干支1周分にあたる人材の繋がりが歴史を物語る。「もう『環境の世紀』ははじまっていますから」そう頼もしく話してくれた鎌田さんに今年のテーマ講義プロジェクトの詳細を聞いた。

 今年のテーマ講義プロジェクトは、責任者の鎌田さんと副責任者2人をはじめ、2年生数名がコアメンバーとなって進めている。メンバー同士では昨年の10月から、特にコンセプトに関して熱い議論が交わされたという。現在の日本は、環境か開発かといった二極化の時代を過ぎ、企業も住民もそれぞれの立場から環境配慮の必要性を唱え、環境に配慮することはいいことだという「エコブーム」が起きていると考えた。エネルギー問題、環境大国ドイツ、エコツーリズムなど、メンバーによりエコブームが起きている現場を厳選し、それぞれの分野の専門家に現状を話してもらうことにした。エコブームが良いか悪いか、実際に変化が起こっているのかただのブームなのか、メンバーたちは統一見解を示すことはせず、出席する学生自身に考え、判断してほしいと思っているそうだ。環境問題への興味関心がそこまで強くない人でも分かるように、初回の教官紹介冊子には用語集もつける準備をすすめているという。また、講義後のゼミではディスカッションだけでなくロールプレイなど、様々な形式を取り入れていくつもりだという。また、講義を1回利用して三四郎自身により行う発表では、 「食」に焦点を当てる。生産の段階では先進国の飽食と途上国の過剰農業による土壌酷使を考える。販売店、飲食店にも焦点を当て、残飯や、賞味期限切れで捨てられる食品などの視点から実際に店舗を取材し考察を深める計画だという。

 「今年の売りは、やっぱり山下さんでしょう」鎌田さんは言う。毎回の授業で学生からアンケートを取り、それを最終回である山下さん講義でフィードバックする予定もあるという。「上の世代のプレッシャー?感じないだけかもしれないけど…」三四郎では学術的な活動がしたかった、という鎌田さんは変に気負ったところがなく、大風呂敷を広げたりもせず、講義の準備に余念がない様子だった。

 今年のテーマ講義は、4月14日に始まり、7月7日の山下さんによる最終回で終わる。昨年までの金曜日と異なり、今年は水曜日に開講されるのでお間違いのないように。

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