環境の世紀16

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活動紹介

概要

環境の世紀16は、環境三四郎の「環境の世紀プロジェクト」が企画・運営に協力する、教養学部前期課程の全学自由研究ゼミナールです。

この講義は2010年度冬学期に開講され、環境三四郎17期のメンバーが中核となって企画・構成・運営を行いました。

コンセプト

この講義を企画するにあたり、プロジェクトメンバーは環境問題に関連する研究者やNGOの方など、色々な立場の人にお会いし、環境問題についての様々な意見を知りました。

さまざまな意見を直接聞き、それを他の情報・意見と比較したり、そのことについて議論を交わしたりしました。環境問題がメディアなどで取り上げられる際、環境問題は様々な事象が複雑に絡み合っているのにもかかわらず、ある一つの事象についてある一つの視点から考察を加える場合も多いと思います。

多種多様な環境問題についての情報を見極めるために、様々な考え方を知り、自分でその正誤やそのような情報が発信されるまでのプロセスを分析することが必要であると私たちは考え、そのスキルを「眼力」と定義しました。

この講義の目標は、環境問題を一つの視点から見るのではなく、色々な視点から見た考え方に触れたり、人間の営みや、私たちの常識の根本となっているものは何かということを問い直したりしながら、「眼力」を養い、使いこなせるようになろう、というものです。

講義の構成

講義の様子

講義は前半、後半の二部構成で行われました。

前半は「眼力を養う」として、環境問題に関するさまざまな立場、意見、考え方を実感できるような様々な講義を通じて、受講生に「眼力」を身につけてもらうことを目標としました。
文系・理系のような区別を越えた色々な立場の先生方の、環境問題に対する考え方を知ることができ、一度お会いして話をうかがっていた企画者にとっても興味深い講義となりました。
最後の1コマは、プロジェクトメンバーが考案した地球温暖化問題のRPGを受講生同士で行い、国際関係が絡む地球環境問題の対策の難しさを実感しました。

後半は「眼力を使う」として、生物多様性にかかわる諸問題に対して「眼力」を実際に使ってみることを目標としました。
生物多様性保全に取り組む研究者や、遺伝資源のアクセスと利益分配の改善を目指すNGOのメンバーなどをお招きして、実際にCOP10などでどのようなことが話し合われているかなどを学びました。
そして、それらの講義を受ける中で生じた受講生の疑問についてグループで調べて発表するという講義も行いました。

また講義終了後には、「受講前後で環境問題に対する視点がどのように変化したか」を問うレポートを課しました。

講義を振り返って

メンバーはもちろん講義を企画するなど未知の体験であり、未熟な面から講師の先生方や受講生に迷惑をおかけしたと思っています。
毎回の講義の終了後には出席確認も兼ねて受講生に感想カードを書いてもらい、各講義の担当者が集計して共有し、場合によっては要望に沿った改善も行いました。

RPGの様子

10名程度の人数で、かつ強制的に参加が求められる授業というのは駒場ではほとんどない。
自分達でディスカッションのテーマなどについて考え、実践し、先生方にコメントを頂く経験は、どこまで議題を詰めていけば活発な議論が展開できるのか、ということを考えるのに非常に役立った。
履修者がほとんど環境の世紀メンバーであったことは残念な点でもあるが、自分達の成長という点ではこの上なく役に立つ授業だったのではないかと思う。

この講義の特徴は、あるコンセプトを基にした様々な視点からの講義を連続して行うことでした。
受講生にはその講義の連続を通じて自分なりの「眼力」を養うことを期待していましたが、受講生の前提知識はバラバラで企画側とのギャップを考慮していなかった、それぞれの講義がぶつ切りになってしまった、などこちらの意図したように「眼力」を養い、活用できるようになる講義であったとは言いにくいです。
けれども、受講生は「ためになった」「おもしろかった」などの感想を寄せてくれ、質問もしていたので、少なくとも受講生にはプラスになる講義であったと思っています。

文責:幸谷勇作(17期)

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