第7回講義内容

6月9日

「エネルギー・資源論から見た環境問題」

教 官: 阿部 寛治
所 属: 東京大学大学院 総合文化研究科広域科学専攻 広域システム科学系
配布物: なし

講義内容
<目次>

<講義内容>

1. エネルギーから見た環境問題

太陽からのエネルギー 10の24乗[J/year]
人間の活動 10の20乗[J/year]
大気や水の循環 10の22乗[J/year]
「人間の活動が気象に影響を与えるレベルになってきた」
台風1個のエネルギー 10の18乗[J]
1年間の地震 10の17乗[J/year]
日本で使うエネルギー 10の19乗[J/year]
人間1人1日生きているだけで2000[kcal]を消費する
現代人は1日40000[kcal](原始人の20倍)、アメリカ人は原始人の110倍を消費
→中・後進国の近代化が問題

技術は無力
自然エネルギーは量的に足りない ― 太陽光発電のみが可能性がある。

2. 環境問題を解決するには?

二者択一

(1)イケイケ路線
・核融合を成功させる ― 豊富な電力・エネルギーの獲得
→食糧問題・エネルギー問題の解決
→水の電気分解により二酸化炭素フリーな水素燃料
→人類は新たな次元へ

(2)もうやめよう路線
・消費エネルギーを現在の5分の1にする
― 生産量には資源制約最大生産量と環境制約最大生産量とがある。
現代の経済は環境制約最大生産量を超えている。
― 地球環境問題の根底に人口問題があるというのは嘘である。
(人口増加―1-2%、エネルギー消費量増加―5%、中進国の成長で破綻)

ハードパスからソフトパスへ
・ハードパス ― 技術開発による解決(通勤ラッシュの例だと、複々線化、二階建て車両)
・ソフトパス ― 社会システムの変革による解決(フレックスタイム制)

今後の見通し
(1)楽観派 ― 生産量が増大しても大丈夫
(2)半楽観派 ― 破局の前兆が出たらみんなでまとまる
(3)悲観派 ― 破局の前兆が出たら手遅れ