テーマ講義「環境の世紀 未来への布石III」レポート課題

1996年6月7日公示

目次

1

このテーマ講義を今まで受けた中で、一番興味を持った講義についての感想を簡潔に書きなさい。

2

下の(1)〜(4)の中から一つ以上を選んで書きなさい。ただし、(1)〜(4)とは違う状況を自分で設定して論じてもよい。

(1) <人間の生活と生態系 〜生活者の視点から>

人間の生活は健全な生態系に依存している。ところが、人間の生活はしばしば生態系を破壊してきた。ここに環境問題の基本がある。今日の地球環境問題も、基本的には人間の生活(=経済行為)が生み出した結果である。したがってこのままいくと、人間の生活は今後ますます持続不可能なものになるだろう。そこで、われわれが子孫の代に至るまで生活を持続可能にするためには、生活の営みそのものを健全な生態系を維持するようなものに改める必要がある。では、われわれは具体的にどうすればよいのだろうか。諸君の考えを述べなさい。なお、この問題設定に不服のある人はその理由を述べ、問題を設定しなおして論じてもよい。

(2) <地域住民の生活と自然保護 〜地域住民の視点から>

東京近郊では住宅地域が都市の周辺に広がるという現象が起きている。もともと緑豊かな土地だったところも住宅地確保のため切り開かれ、その地域の自然が破壊されつつある。そこで、残された自然を少しでも守ろうという気運が住民の間に高まってきた頃に問題が生じた。
Aさんは森林をもっているのだが、経済上の理由により不動産会社に売り払ってしまおうと考えている。しかし、それを知った地元住民の間で不動産会社に売ると宅地造成がなされると危惧し、Aさんを説得してその土地の売却を中止させようという声が多くあがった。あなたがもし地元住民だったとしたら周囲の住民の行動に同調するか。同調する場合は、どのようにしてAさんを説得するか、また同調しないとしたら、どのようにして問題を解決していけばよいかの具体的な方策を述べなさい。但し、生活者と行政の関係や、自然を守ることの意義などに踏み込んで議論すること。

(3) <南北問題 〜途上国の知識人の視点から>

あなたは、アフリカのある貧しい途上国の非特権階級に生まれ育ったが、幸いにも政府の奨学金を得て留学することができ、このたび、大学を卒業して祖国に帰った。帰国したあなたの目には、祖国の次のような現状がうつった。もともと乾燥地帯や不毛地が多いところに、人間や家畜の圧力が加わって更に土地が不毛になったため、食糧が慢性的に不足しているのだが、残念ながら、食糧があまり生産できない上、外貨も限られている。現在のところ、農民から強制的に安く買い上げて都市住民に売却しているが、これでは、農村の飢餓が進み、また、都市への人口流出につながる。しかし、強制的な安価買収をやめるとなると、都市の穀物の価格が高騰、もしくは穀物の量自体が不足してしまい、都市住民が飢え、暴動を起こすのは必至である。あなたは、この国における知識人として、このような現状をどのように改善していこうと考えるか。何をやるか具体的に述べよ。

(4) <リサイクルシステム 〜行政の視点から>

あなたは行政のリサイクル担当者となった。リサイクルの現状を踏まえた上で、リサイクルが進まない要因をいくつかあげ、具体例をあげて説明し、それらに対してあなたは具体的に何をすればよいか提示せよ。但し、リサイクルが発達しても、ごみの量が増えたり使う資源が増大したりしては、意味がないことに留意せよ。

日程 講義 レポート課題
6月14日 「漁村の生活と環境問題」 1, 2(2), 2(3)
6月21日 「環境社会科学の基礎」 1, 2(1)
6月28日 <レポート提出締切日>