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「環境学」とは聞きなれない言葉です。
それは、「環境学」は比較的新しい考え方で、まだ十分に体系化された学問ではなく、構想から構築への模索段階にあるからです。簡単に言うと、環境問題、ひいてはその背後にある「人と人」・「人と自然」のあり方の矛盾の解決を目指そうとする総合学といえるでしょう。
ところで、気候変動、土壌浸食、森林減少、生物多様性の喪失、人工物質による化学汚染・・・。日頃耳目にするいわゆる「環境問題」を挙げればきりがありません。表面的な現象の裏には南北問題・人口問題・エネルギー問題など、社会の不平等構造自体と密接な関連を持つ問題群が見え隠れしており、さらに考えを巡らすと、無限の自然という前提の下で高度な科学技術を駆使し、利便性のみを追求する現代の物質文明社会があるといえます。
しかし、こういった多面性と複雑性を持つ環境問題に対して、細分化されていて、ほとんど相互に交流・協力関係を持たない従来の学問では本質的な解決は望めそうにもありません。そこで、既存の学問の枠組みを超え(学融合)、総合的アプローチを可能とするために「環境学」が必要とされてくるのです。
ここで、「環境学」について以下のように定義しておきます。
「環境学」とは
ことを目的として構築される学問体系。
では、このような「環境学」にはどのような既存の学問分野が含まれるでしょうか。
このように「環境学」の対象とする領域は、自然科学・社会科学・人文科学のあらゆる分野が含まれるほど広く、また各学問要素が複雑に絡み合わざるを得ません。「環境学」における各学問分野の緊密かつ有機的なつながりは、逆にいうと、現在さまざまな分野に分散している学問知が、「環境」という明確な目的意識の下に組織的に結集され再構築され、その学融合の先に「環境学」はあるということを意味します。ですから、「環境学」はこの意味で「総合学」なのです。
では、この東京大学の「環境学」は今どのような段階にあるのでしょうか? それはあなた自身の目で確かめてください。
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