2022年3月11日、目黒区立向原小学校4年生のクラスにて、今年度3回目で最後となる出前授業を行いました。
今回のテーマは「生き物のすみかのつながりを考えよう~学校ビオトープとそのまわり~」。1回目では「ビオトープとは」、2回目では「外来生物」を扱い、学校ビオトープの内部に注目してきました。そこで、最後には、学校ビオトープが地域の中でどのような役割を果たしているのかに気づいてもらえるよう、テーマを選定しました。
はじめにスライドを使った座学を行い、実際に学校にいるカエルやトンボを例に出しながら、
- 学校の中にあるすみかは、外のすみかと繋がっている。
- 小さい場所でも、生き物を繋ぐ役に立っている。
- すみかどうしは近くで繋がっていないといけない。
ことを伝えました。ちょうど学校ビオトープにカエルが産卵したようで、児童の皆さんが実感を持って学んでくれました。

その後、オリジナルのカードゲーム「橋わたしゲーム」で遊びました。これは、2人がすみかを「守る側」と「壊す側」に分かれて行う対戦型のゲームです。守る側は、すみかが描かれたボードに「生き物カード」を置くことでポイントを獲得し、すみか同士を繋ぐ「橋わたしカード」を置くことで、そのポイントをアップできます。壊す側は「開発カード」を使って、ボード上の生き物カードや橋わたしカードを減らします。2人が「守る側」と「壊す側」を入れ替えて1回ずつプレイし、守る側の時に最終的に獲得したポイントが高い方が勝ちとなります。
児童の皆さんは、守る側の時には壊す側からのダメージを減らせるように、カードの置き方を工夫していました!それはまさに、複数のすみかに生物がいること、すみか同士の繋がりは多い方が生物にとって良い環境であることに重なりました。
最後に、ゲームを通した考察をして授業は終了しました。開発のプラスマイナス両側面のことも考え、どのようにしたら自然への悪影響を減らせるか、さまざまな意見を出してくれました。
ゲームに夢中になって取り組んでいたこと。楽しかった!と口を揃えて言ってくれたこと。しかも、それだけでなくビオトープのこともよく考えてくれたこと。授業をした者としてとても嬉しいことでした。
何人かの児童が感想文を見せてくれました。その中で一番心に響いた言葉があります。
これまでビオトープは授業のためにあると思っていたけれど、今日の授業で自然のためにもなっているのだなと思った。
学校ビオトープの管理や観察は、どうしても授業の一環で先生に言われたからやる、受け身なものになりがちです。すると、身近なビオトープを通して本当に学べるはずのことが学べなくなってしまうと考えています。
だからこそ、まなプロを通して少しでも観察に前向きな気持ちを持ったり、ビオトープの価値を自ら考えたりする機会を作れたらと思っていました。
それを受け取ってくれた人がいる。その時限りかもしれないけれど、何となく書いただけかもしれないけれど。
この学年への授業はこれで終わりですが、3回の授業でやったことが、大人になったときに一欠片でも残っていたらいいなと思います。






