イベント


山形農村ツアー

経済学部4 年 宮前耕也



 三四郎のメーリングリストに、田植え体験ツアーのお知らせが舞い込んできた。普段なら飛ばし読むのだが、この時は目にとまった。A SEED JAPANの主催で、田植えや大豆の種蒔きを体験し、農家の方々と語り合う企画だった。

 去年の秋、中国東北部の農村など貧困地域を訪問したのを思い出した。雨が降らず、モンゴルから吹く風で砂漠化が進み、土壌は荒れ果てる。日本の農村のイメージが「緑」なら、中国農村は「黄」だ。強烈な印象だった。それに比べて日本の農村はなんと恵まれていることか。気候条件はよく、様々な公共事業や補助金まで降ってくる。そう思うようになった。でも実際にはどうなのか。この目で日本の農村の「豊かさ」を確認してみてはどうか。次の瞬間、返信のボタンをクリックした。

 ツアーに参加して感じたことは3点。

1  農道や高速道路が整備されて、農作物が容易に大消費地へ運搬されること。
  山形なら米やさくらんぼなど、商品用の作物が安価に迅速に運搬できることは、農家の収入面での「豊かさ」にとって重要なことである。日本ではもはや当たり前のことになって忘れがちであるが。

過疎化が進んでいること。
若者は都市へ出て行く。厳しくて収入の不安定な農業を避ける。また、親もそれを望み教育投資を怠らない。過疎化に悩む農村は地域通貨やトラストを通じて地域の活性化を模索する。ある方が「新庄を心の豊かさの発信地にする」と意気込んでいたのが印象的だった。

作物を育てる喜びには、日本も中国も違いがないこと。

  大地の恵みを祈願し、そして感謝し、人々は酒を交わし唄い踊り、神々と時間を共有した。人類がその長い歴史の中で絶やすことのなかった営みである。もっとも日本では、「伝統芸能」として保存すべきものになりつつあるようだが。


■ 【編】

ツアーには、三四郎からも院生から1年生まで計9人が参加しました。農家の方とも仲良くなったので、今後も交流ができたらいいなあと思っています。
 





[index]