三郎と四郎のつぶやき


第7回
リサイクル市って?ばっくなんばー

 環境三四郎では1997年から2000年までの4年間、リサイクル市という中古品活用市を行ってきました。毎年3,4月には多くの学生が新生活を迎えるため引越しをします。リサイクル市とは、そのときに不要になった、まだ使える家具や電化製品などを引き取って、4月から入学してくる新入生に提供しようという取り組みです。
 2000年のリサイクル市では、一部の家具にデポジット金を上乗せして販売し、2年間継続して使ってもらった方に、家具のデポジット金を返却するという「デポジット制」を導入しました。また「リサイクル市はどこへ行く」という座談会も行いました。


座談会―リサイクル市はどこへ行く―

*今回の記事は第6回の「紙をリサイクルするだけじゃだめなの?」の内容を前提としています。リサイクル、リユース、ロングライフなどの概念についてはそちらを参照してください。
リサイクル市って? 三郎・・三郎  四郎・・四郎
三郎

 最近、引っ越ししたんだけど、新しい家がが前の家と造りが違ってさ。

四郎

 へぇ、そうなんだ。家具とか家電とか配置するのが大変だったでしょ。

三郎

 うん、そうだね。で、持ってた冷蔵庫が引越し先のスペースに収まらなくて、買い換えたんだ。

四郎

 引っ越す前に確かめておけばよかったじゃん。

三郎の冷蔵庫三郎なやむ
三郎

 でも、いろいろ条件がよかったんだよ。

四郎

 じゃあ、冷蔵庫はまだ使えるのに捨てちゃったの?

三郎

 うん。誰か使ってくれる人がいれば、ただでもあげたかったんだけどね…。

四郎

 リサイクル・ショップとか、インターネットの中古品オークションとか、いろんなところでいろんなものがリユースされているからそれを利用すればよかったのに。

三郎

 実は結構探したんだ。でも、家の周りにあるリサイクル・ショップでは大規模に扱っているところがあまりなかったんだ。

四郎

 スペースを広く取ると土地代もかさむから、リサイクルショップのように、中古品だけ扱っているお店は規模を大きくできないのかもね。でも、家電リサイクル法が始まって、家電のリユース市場が拡大したことも事実なんだ。インターネットの普及とも合わせて、中古家電を扱うお店は増えてくるだろうね。環境三四郎でも、リユース活動がホームページで紹介されていたよ。

座談会―リサイクル市はどこへ行く―
座談会―リサイクル市はどこへ行く―
三郎

 もしかして「リサイクル市」ってやつ?

四郎

 そうそう。三郎よくわかったね。座談会があるんだけど読んだ?

三郎

 ううん。読んでない。ちょっと題名だけ見ただけ。リサイクル市って何をやってるの?

四郎

 リサイクル市っていうのは、大学の学生が3,4月に引越しをするときに出てくる家具や家電を環境三四郎があつめて、新しく入ってくる学生に安く提供しようという活動なんだ。だからやってることはリユースなんだよ。


家電リサイクル法って何?
三郎

 さっき家電リサイクル法っていってたけど、家電リサイクル法って何だっけ?最近よく聞くようになったけど、実はちゃんと知らないんだよね。

洗濯機冷蔵庫

クーラー

テレビ
 
家電リサイクル法で対象になる家電
四郎

 家電リサイクル法っていう法律は、捨てられる家電製品のうち、テレビ・冷蔵庫・クーラー・洗濯機の4製品のリサイクルを企業に義務付けるというものなんだ。

三郎

 リサイクルって、もう一度使うこと?

四郎

 ううん。リユースじゃないんだ。法律で義務付けられているのは、マテリアル・リサイクルとサーマル・リサイクルなんだよ。

三郎

 捨ててもきちんとリサイクルされるっていうことなんだね。

四郎

 そうだね。そして、リサイクル企業まで製品を運ぶための輸送料とリサイクル費用を、その製品を買った人が捨てるときに支払うことになっているんだ。

三郎

 ああ、そういえばオレも結局冷蔵庫を引き取ってもらうときに、6000円ぐらい支払った気がする。

四郎

 でも、まだ使える家電製品をわざわざマテリアル・リサイクルするなんてもったいないね。リサイクルよりもリユースの方が優先順位が高いってこの前にもいったけど。


なんで学生がやるの?
三郎

 そうか…。オレもリサイクル市に提供すればよかったなぁ。でもさ、リサイクルショップと同じようなことをやってるんだったら、リサイクルショップを利用すればすむ話じゃない?わざわざ学生がやらなくてもさ。

四郎

 たしかにそういう面もあるね。でも、実際、三郎はリサイクルショップに引き取ってもらわなかったわけだし、たとえリサイクルショップが普及しても、学生がやる意義はあると思うんだ。

三郎

 ふーん。たとえばどんなこと?

デポジット制
デポジット制の仕組み
四郎

 たとえば、2000年のリサイクル市ではデポジット制というものを導入したんだ。これはリサイクル市で提供した家具を2年間大事につかってくれたら、デポジット金を返すというものなんだ。

三郎

 ってことは、ものを大事に使うとトクをするってこと?

四郎

 利用者側から見たらそうだね。提供した側から見ると、提供した家具が大事に使われることは、そのものが長く使ってもらえる、つまりlong lifeを実践してもらえるってことになるよね。

三郎

 へー。なるほど。

四郎

 学生がリサイクル市やいろいろなことをやる意義っていうのは、デポジット制のような新しい活動に挑戦できるってことにあると思うんだ。リサイクルショップだったら、利益が見込めないと、なかなか始められないよね。新しいことを社会人がやろうとするときは、失敗は最大限避けたいと思うのは自然なことだからさ。

三郎

 そうだよね。生活がかかってるからね。

四郎

 でも学生なら、多少の失敗なら社会的にも許されるし、次の年にやめてしまっても深刻な影響はないわけだよ。だからそういう身軽さを生かしていろいろ新しいことを試してみるってことに学生がやる意義があるんじゃないかな。

三郎

 そうか。たとえ失敗しちゃってもそれはそれで「こうやったらうまくいきませんでした。」って教訓を得られたことになるしね。

四郎

 座談会ではほかの視点からもリサイクル市についていろいろ話されていたよ。紙のリサイクルとも関係あるし、三郎も読んでみたら。

三郎

 よし。今度はちゃんと読んでみるよ!