三四郎発フレッシュマンの職場紹介 環境省 目々澤さん

環境三四郎5 期生の目々澤淳さんは、現在環境省自然環境局に勤務されている。今回はフレッシュマンの職場紹介ということで、目々澤さんに環境省全体のこと、職場のこと、担当の仕事など、たくさんのお話を伺うことができた。(記者:渡辺善敬)

概要と目々澤さんの部署紹介

環境省は、大臣官房と総合環境政策局、地球環境局など4 つの局、水環境部など3 つの部に分かれており、その仕事の内容もさまざまだ。総合環境政策局では環境アセスメントや環境教育を、地球環境局では温暖化問題などを、水環境部では水・土壌関係を、自然環境局では国立公園の管理や野生生物の保護をそれぞれ担当している。環境行政の執行にあたって、他省庁との連携・協議は大臣官房を通してなされることが多く、中央環境審議会を通じて専門家の意見を聞くシステムがある。パブリックコメントも随時募集しているが、寄せられるパブリックコメントの数は多くはない。

目々澤さんの所属する自然環境局の中にも、さまざまな課室がある。総務課では大臣官房からの質問・要請のとりまとめがなされ、自然環境計画課では自然再生プロジェクトが進められている。また、野生生物課では現在、カルタヘナ議定書批准に際して国内の仕組みづくりに取り組んでいる。生物多様性条約カルタヘナ議定書は、遺伝子改変生物(LMO)による生物多様性の保全及び持続可能な利用への悪影響を防止するため、遺伝子改変生物の取扱いに関し国際的な枠組み等を規定している。

職場の雰囲気については、各省、各局、各課によってさまざまであるそうだ。また、個人の担当する仕事によっても、状況が変わってくるという。勤務時間の定時としては9 : 3 0 〜17:45 だが、残業する事が多い分、朝の定時は緩やかで、「9:30 にいないと遅刻」というようなものではないようだ。環境省の雰囲気としては、自由で明るい感じであり、ノーネクタイの人や、髪を染めている女性もいるようで、決して窮屈な感じではない。職員のタイプとしては、バランスのとれた(いろいろなものを大事にしようとする)人が多いそうで、穏やかな人が多い印象を受ける。省によってカラーが違うので、もし省庁を希望する人がいれば、いろいろな省庁を回って自分に合うところを探した方がいいとのことだ。

目々澤さんの仕事

個人として担当している主な仕事としては(1)国会関係、(2)法令協議、(3)行政改革、(4)重点、(5)決裁などがある。

  • (1)国会関係とは、委員会で議員が大臣等に対して行う質疑応答の土台作りであり、議員へのレクチャーを通して国会答弁を作成する。また、議員からの資料要求や、国立公園視察の案内をして欲しいといった要望に対して便宜供与などを行う。
  • (2)法令協議とは、閣議決定事項のために事前の省内のとりまとめを行うことである。
  • (3)行政改革については、総合規制改革会議にかかわっておられるそうだ。
  • (4)重点とは、省が来年度力を入れて取り組む政策を重点としてとりまとめ、議員と協力して予算を確保してもらう作業のことである。
  • (5)決裁とは許認可をすることで、例えば、国立公園内で工作物を自由に作ることは制限されているが、決裁により特別な許可を得ることでそれを可能にすることができるのである。

進路決定の動機と今後の抱負

環境白書目々澤さんの個人としての心持ちについても話していただいた。なぜ、環境省を選んだかとの問いについては、「公務員になろう、住みよい社会をつくりたい、スケールの大きいことをしたい、という漠然とした気持ちから、各省を見て環境省のカラーに自分が合っていて、縁があったから。」とおっしゃっていた。就職前の仕事へのイメージと実際の仕事とのギャップについては、「思ったよりも負担が軽かった。一年目は調整とりまとめ役という仕事で、局内、国会の動きがわかったことはよかった。」とのことである。

これからの抱負については、「調整だけでなく、自分が“やっている”という主体的な仕事がしたい。この法律、施策は自分が作ったと胸を張れるようなものが欲しい」と明確なヴィジョンをお持ちであった。また、後輩へのメッセージとして、「環境問題にかかわる上で、選択肢を幅広くとらえて、いろんな視野をもってほしい。」と話しておられた。国家公務員を目指す人も、環境省だけでなく他の省庁や他のアプローチにも目を向けてほしいというメッセージだ。

国家公務員として働くことへのさまざまなイメージがあるなか、こうして職場を直に見て、生のお話を伺えたことは貴重なことで、協力してくださった目々澤さんに感謝したい。ありがとうございました。

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