環境の世紀IX  [HOME] > [メールマガジン・バックナンバー] > 第8号

○●○環境の世紀IX 〜警鐘の時代から実践の時代へ〜 ○●○
                         メールマガジン 第8号
    【次回6月14日は休講】  2002.6.12
                               < http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/ >
                        問い合わせ先は本メールの末尾に記載されています

――今回の目次―――――――――――――
・次回の講義(6/14)は休講です
・前回の講義
・ゼミの内容
・掲示板情報
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■■次回の講義(6/14)は休講です■■

次回(6月14日)は当初、石弘之先生(東京大学大学院新領域創成科学科教授)
による講義が予定されていましたが、先生が体調を崩されたため、
休講となります。

石先生の講義については、7月中に補講が行われる予定です。
詳しい日程は決まり次第お知らせいたします。

よって次の講義は6月21日の住明正先生(東京大学気候システム研究センター)となり
ます。
住先生の講義紹介は来週発行のメールマガジンをご覧下さい。

■■前回の講義■■

<前回(第6回)の講師>
☆農業から環境と経済の調和を考える☆
生源寺真一先生(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

<講義題目>
「食料増産と環境保護」

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食糧と環境はトレードオフの関係にある。
人口の増大や所得の向上により、
食料需要の増大が予測される今後、
技術進歩等で食糧供給を高めることは不可決である。
しかし、食糧供給ばかりを追求すれば、著しい環境劣化を招き、
結果的には食糧自身も供給できなくなる。
このトレードオフを解決するために求められる方策は
環境と食糧両方に配慮した技術革新などで
両方を高水準に持っていくというものである。

とはいえ技術革新は、その成果が社会的に評価される土壌が
あって初めて生み出されるものである。

食糧に対する評価と環境に対する評価をきちんと行うことで、
社会的に何が望まれているかが技術者にシグナルとして伝わる
ようにすることが大切である。
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詳しくは:
http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/schedule/6_07a.htm

■■ゼミの内容■■

今回のゼミは生源寺先生のご都合により、先生のゼミへの参加は
始め約20分間でした。そのため、ゼミ開始から20分間を先生への
質疑応答時間とし、それ以降は学生のみによるグループディスカッ
ションと全体発表が行われました。

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テーマ : 「食糧自給率」

○まずはじめに食料自給率についてどう思うか、を一人ずつ述べた。

・食料自給率が低くても、生源寺先生の言うように、一人当たり
1800〜2000Kcalを一日に得ることができるなら少なくとも死には
しないのではないか。結構大丈夫なんじゃないか。

・人に依存していると輸入がストップした時、今とは状況がかなり
変化してしまうので上げた方がいい。技術の輸出で増産していけば。
また、他の国に回していけばよい。

・世界的に増産していけばいい。日本で増産して他の国で減産、
ではなく世界全体で不利益を被るような国がないように。

・輸出国が自分たちの食料だけでいっぱいいっぱいになる時、
輸入が途絶えることはあり得る。生活環境が変わらないように
する手を打つことが必要だ。食べ物はないとやっていけないので
工業製品とは別に考えるべき。

○そうするとやはり自給率の問題というのは単に「食」の問題でなく
そこから派生してくる様々な社会的な問題もからんでくるので重要である。
ここでどう思うか?(途上国の話にも関連してしばし意見交換が活発に)

・モノカルチャーをはじめとするもろい経済体制が問題では?

・アフリカ等は元々生産性が悪いため、先進国がいくら買うといっても、
技術や教育の問題があって生産性を上げていくのは難しい。

・しかし、元々は自分達で作って食べていたのになぜこうなったのかと
いうことを考えると、商品作物の話が出てくる。その作物が土地に
合ってなかったりすると、元に戻れなくなってしまう。

・人口の増加なども関係している。

○今までの議論の感じでは、日本の自給率というよりは、もっと別の
ところに関心があるようなので、自分達食べる分を作って食べる、
ということがなぜできていないのか、作る国、買う国があって、しかも
食べ物があまる国、食べ物がない国がどうしてあるのか、
食糧の配分ということにからめて議論しよう。

・やはり食糧が安い国があるとそこから大量に買う。

・むしろ日本などが途上国の物価に比べて高い値段で買うから売るのでは。

・農業しか売り物が無い国が多く、売れるくらいの工業製品を作れる国は少ない。

・作ることができても土地がやせていたり、気候条件の制約が
あったりすると作っていても必ずしも十分に食べられるわけではない。
食べられない人は作っていようが作っていまいが食べられない。

・技術指導や、途上国の発展後の工業製品の輸出などによって
途上国が作物を買えるようにすればどうか。

・フェアトレードに着目したい。きちんと評価できるようなシステムが必要。

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詳しくは:
http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/schedule/6_07b.htm
(他のグループの議論が掲載されています)

■■掲示板情報■■

掲示板では、現在こんな議論が行われています!
お気軽にご参加ください。

また、掲示板には、授業後に皆さんに書いていただいた
感想票からの抜粋も掲載しております。(もちろん匿名です。)
あなたの声が掲載されている可能性もあるので、要注目です!
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○需給モデルは良く見慣れたものであったが、それぞれに対して
農地面積や科学技術、人口等の要素を盛り込んだことは、
新鮮で興味がもてた。それらについて考慮することも当然大切。
環境問題だけでなく、こうした農業の問題についても複合的要素が
含まれた難しい問題だと認識した。これに関して楽観論と悲観論が
あったが、それぞれの人がどう考えているのかということや、
どういう計算式に基づいて予測しているのか、調べてみたい。
次に、食糧と農業におけるトレードオフについてもかなり考えさせられた。
横軸に食料、縦軸に環境をとったとき、右上へとshiftするようなことは、
単純には不可能であるというのは、かなり納得させられた。これを右上に
shiftさせることができるようになる方法は、これから我々が考え出して
いきたいと思います。若い世代に期待してください!!(理科I類1年)

○いつもなんとなく考えていた環境の価値を表示することの重要性は
技術進歩の方向性においてもいえることが良くわかり、いっそう
切実に価値表示のシステム構築の必要を感じました。環境保全と
農業発展はこれからの重要なテーマだと思いました。(文科III類 1年)
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続きは掲示板で:
http://www.sanshiro.ne.jp/bbs/frame.htm?c-board/c-board.cgi?id=e_century


____________________次号予告

次回発行は、6月19日(水)を予定しています。

内容は
    ☆第7回講義の予告
     ☆掲示板上の議論抜粋
です。おたのしみに!

____________________インフォメーション

【編集・発行】      環境三四郎
〜環境三四郎は、本講義の企画・運営に協力しているサークルです〜
【環境の世紀】      http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/
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