駒場祭エコプロジェクト2004

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活動紹介

 去る2003年11月22日(土)〜24日(月・振祝)の3日間、東京大学駒場キャンパスにて、第54回駒場祭が開催された。学園祭の環境対策を講じるために、駒場祭委員会との協力のもとに行われるエコプロジェクト(通称;エコプロ)も今回で7回目を迎えた。年々活動の幅を広げているとはいえ、なかなか快く環境対策を受け入れてもらえない現状を踏まえて、今回は「単純明快」という理念を今までの「減らす、伝える、続いて行く」という基礎理念に加えて活動が展開された。果たして、その成果、反省点、そして来年度以降への期待はいかなるものであっただろうか?副責任者であった佐藤直子さん(文学部3年)と今年度責任者の広瀬雄一郎さん(理科T類2年)に伺ってみた。
 [文責:竹内一翔(9期)]

新しい取り組み

ウサギ

 「今回からの新しい取り組みは、大きく分けて屋内ごみ箱の設置と紙くず・生ごみ、ビニール・プラスチックをそれぞれ一まとめに分類したことです。また、エコブースでの冊子の配布をウサギの着ぐるみを着た者にさせたことです。注目度が高く、冊子の配布部数も昨年度を上回ったと思いますし、ウサギがごみを拾っているのを見て一緒になってごみを拾ってくれる人もいました。」と佐藤さんは語る。駒場祭後、学内でのごみ分別が悪くなることが以前から指摘されており、その理由として学園祭期間中の分別基準が通常のものとことなることが挙げられていた。そこで、今回はサーマルリサイクルに廻していた4種類のごみを可燃物と不燃物という仕切りで分けたということである。また、エコブースでは、着ぐるみのウサギが注目を集めたのみならず、アルミ缶・ペットボトルのリサイクル過程、エコ容器の原料となる葦・ケナフ・パルプに関する展示、自転車発電、ごみ分別クイズなどを実施し、来場者に環境対策を体感してもらえるよう工夫した。

反省点

ごみ集積場

 「最大の反省点は、ごみ集積場の混乱でしょう。今回はごみ分別の基準を変更したのみならず、集積場の場所を従来の900番講堂横から体育館前広場へと変更したために、企画の十分な理解が得られず、シミュレーションの不徹底、当日スタッフの人数不足も手伝い混乱を招いてしまいました。二つの新しいことを一遍にやることの難しさを痛感しました。」と佐藤さんは語る。また、新責任者の広瀬さんは、「来場者用ごみ箱(屋外)や屋内ごみ箱など、来場者のごみの捨て方が正しくなくても、ツケがそのエリアを担当している企画の肩にのしかかってしまう構図がありました。これからは、来場者が正しく分別するように指導するか、責任の所在を明確にする対策を練ることが必要です。」と話した。 ごみ集積場2

 また、今回の駒場祭は期間中通して晴れていたという、今までに例を見ない3日間であったため、全体的な賑わいが高く、ごみの量もごみ袋数に換算して12%も増加した。「ごみのたくさん出る学園祭は良い学園祭ではないので、今まで3日間ずっと晴れていた前例が無かったにせよ、ごみの量を減らしていく努力が必要です。」と広瀬さんは意気込みを話した。エコ企画の優遇措置にまつわる問題や非エコ企画の中にも十分に環境配慮型の企画があったという問題など、小さな問題はあったものの、上に挙げられた大きな問題はどれも今までになかった経験・視点からくるものであり、今後のエコプロの発展に十分に影響するものと思われる。

今後の課題と期待

 エコプロに2年間携わってきた佐藤さんはこう語る。
「やはり、エコプロはどれだけ多くの人に楽しんでもらえるか、実感してもらうかが勝負だと思います。最近はどこの企業でも環境にやさしいことが重視されていて、まさに環境ブームです。しかし、このブームは必ずしも永久に続くとは限りません。環境ブームが去った後も最低限の環境対策を駒場祭において確固たるものにしていければ素晴らしいと思います。時代背景に流されないエコプロを続けて行って欲しいと感じます。」

また、新たに2年目を迎える広瀬さんは次のように語る。
「エコプロはつなげるというよりは、作るものだと感じています。今年もまた新しい1年生が入ってきます。彼らとともに、メンバー全体の雰囲気を大切にしながら、ブロックを1パーツごと組み立てていきたいと思います。」

 広瀬さんにとって、エコプロは三四郎という組織にとって、そして、三四郎のメンバー一人ひとりにとって成長の場であるという。また、エコプロにとって有用な情報を求めていろいろな学園祭を訪ね歩くのが楽しいとのことだ。

 「新1年生を連れて、たくさんの学園祭に顔を出したい。もっとも、慶応大学の三田祭は駒場祭と時期的にバッティングしてしまうので行けないのが残念ですが・・・(笑)。」

 最後に佐藤さんから貴重なコメントを頂いた。 エコプロメンバー

 「エコプロの大きさを感じたのは1年生の頃でした。普段プロジェクトとしてエコプロに関わっていないメンバーや、OB/OGの方々が駒場祭の期間になると来てくれて、アドバイスしてくれたり、手伝ってくれる。また、エコプロは資金は必ずしも自前ではなく、協賛金をいただいています。今年は、株式会社在原製作所、株式会社岡村製作所、オリンパス株式会社、宝酒造株式会社、読売新聞株式会社、YKK株式会社の6企業からいただきました。そして、今年は早稲田祭の実行委員や環境ロドリゲスからの人的な助けも受けました。エコプロは環境三四郎だけでなくいろいろな団体の協力・支援のもと成り立っているということに価値があると思います。これからも、いろいろなつながりを大切にしていくことで、エコプロが発展していくと思います。」

 2004年度でエコプロは8回目を迎えることになる。前回の反省点を踏まえて、より一層の波及効果のあるエコプロを展開していって欲しいと思う。11期生、12期生の皆さん、ぜひ頑張って下さい。当日は多数の先輩方もお手伝いにうかがいます。

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