6.ビオトープめぐり


・目的
・実地記録
 <新宿中央公園ビオトープ>
 <エコギャラリー新宿>
 <渋谷区ケアコミュニティ原宿の丘>
・資料
・リンク

地図 1   2 (右上のサテライトで衛星画像)


目的:ビオトープの有効性・欠点・これから普及させるためにはどうしたら良いかなどを実際にビオトープを見て考えること



実地記録:


<新宿中央公園ビオトープ>

新宿中央公園は、新宿駅から歩いてわずか10分程度、都庁からすぐ見下ろせる場所にあった。自然もたくさんあり、広々とした公園だと感じたが、同じく都心にある代々木公園や日比谷公園に比べると休みの日にも関わらずなんとも人が少ない。公園内にはたくさんの洗濯物。静かな公園内はホームレスの人たちの格好の居場所のようだ。


公園内を通ってビオトープに到着。ビオトープは門に閉ざされた空間内にあった。初めて見たビオトープは小さいなぁという印象。もう少し大きなものを想像していたので、なんだか意外であった。ここで新宿区環境土木部道とみどりの課の金山さんと会い、お話をいろいろと伺った。

  
田んぼの様子(左)、外来植物(右)

外来種が多いようだが、モンシロチョウが飛び回り、緑豊かでなかなか良い感じだった。何より、田んぼをビオトープ内に作ってしまうなど型にとらわれない管理をしていて、「創意工夫」が見受けられた点が素晴らしいと感じた。

  
ビオトープ内の池(左)、ヤゴの抜け殻(右)

金山さんによると、もともとこの場所は下水道の工事現場だったそうだ。ビオトープが完成に至るまでには、地域の人々などによるビオトープの勉強・計画・議論・着工など様々な過程を経てきたようだ。


見学をしている間に地域の人たちや、小学生たちがビオトープにやってきた。何やら観察を行う様子。自然と触れ合う経験は都会の子どもにとって貴重なものだろう。このビオトープ、地域コミュニティの場として重要な役割を果たしているようだ。
  
池の下に敷かれていた防水シート(左)、貯水タンク(右)

あっという間に見学の時間は過ぎてしまったが、質問も活発に行われ充実した時間となった。学校ビオトープにも関わっていらっしゃる金山さんが仰っていたことだが、ビオトープは、作り終わってしまったあとの維持管理が難しいらしい。ビオトープに関心を持ち、知識を身につけた人がいなくなってしまった場合、放置されてしまうケースもあるということだ。ビオトープの流行で、ビオトープは良いものだからどんどん作ろうといったような風潮が生み出されてしまったような気がするが、ビオトープ作りに際しては、その後の管理についても十分視野に入れておく必要があることを改めて感じた。


<エコギャラリー新宿>

エコギャラリー新宿は、新宿中央公園内にあり、一階の区民ギャラリーと二階の環境学習情報センターからなる。今回私たちは区民ギャラリーをざっと見た後(ちょうどいろいろな手作り品の展示が行われていた)、二階の環境学習センターを訪れた。正直に言って、地元の地区センターくらいのものだろうと思っていたのだが、予想外に環境についての情報量が豊富!環境関連図書、ビデオ、資料がかなり充実しており、またちょうど講座というかイベントのようなものが行われていて、「熱い」空間だなぁと感じた。公園の近くに住んでいるという方は、一度訪れてみるといいかもしれない。

環境月間のポスター、「目覚めよ、ベイダー」


<渋谷区ケアコミュニティ原宿の丘>

「ケアコミュニティ原宿の丘」は廃校となった中学校を福祉施設として再利用したものである。ここの屋上にあるビオトープでは、プールにプランターを沈めて水生植物が植えられており、プールサイドにも様々な草花、木々が植えられていた。

  
ビオトープ全体の様子(左)、プール際から(私たちが行ったときはもっと草が生えていた)(右)

ここのピオトープは、プールの面影をありありと残したもの。プールにはかかせない目を洗うための蛇口があったり、消毒をするための場所と思われるところがあったりと、参加者たちは皆小学校時代を思い出して、懐かしんでいたようだ。


この屋上ビオトープは、かなりきちんと管理されているもののようだった。一瞬、これでビオトープ?という気がしたことは否めないが、憩いの場・地域コミュニティの醸成の場として考えたとき、これはこれでいいのではないかと思った。事実、私たち参加者も屋上の日陰でぼんやりと休憩をしたのだが、かなり和むことができた。


途中、ツバメがプールの中で水浴びを始めた。一羽だけだったのがやがて三羽になり、なんとも微笑ましい風景だった。その後、鳩もやってきて水を飲んでいた。ここが都会のど真ん中だとは信じられない気持ちだった。


屋上にいた時間は一時間弱。随分長くいたように感じたが、受付の人から見れば全然短い時間だったようだ。もっと長くビオトープにいる人も多いらしい。日曜日に訪れた場合はビオトープの説明をしてもらえるらしいので、近所の人が家族連れでやってきたりするのかもしれない。



何はともあれ、今回の自プロ企画はお天気にもめぐまれ、無事終了した。



資料:

ビオトープについて

  @.ビオトープとは

  A.生物多様性

  B.ビオトープ作成時の注意

  C.ビオトープ管理時の注意



リンク:

新宿中央公園ビオトープ案内(新宿区)

エコギャラリー新宿

ケアコミュニティ原宿の丘

公益財団法人 日本生態系協会

日本ビオトープ協会




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