リスク・予防原則に関する連続勉強会

勉強会の報告

活動紹介

勉強会の様子 リスク・不確実性・予防原則についての連続勉強会はM1の木村宰さん・4年の徳田雄人さんが企画をした、全4回の勉強会です。参加者も学年の枠を超えていてM1から2年生まで参加しており、早稲田環境ロドリゲス3年の岡田浩一さんも参加しています。

 勉強会の形式は、1回に2つの論文・文献を設定し、それぞれに1人ずつ担当者を決め、その担当者が論文の要約と論点をまとめてくるというものです。また担当者以外の人も論文・文献を読んでくることになっており、その文献の内容が前提として議論が進行されるのでより深い議論がなされています。リスク論やSTS(科学技術社会論)を専門にしている人が多いのもより深い議論を促しています。

 この連続勉強会の趣旨は、
  (1) リスク・不確実性・予防原則についての理解を深める
  (2) 自分の考えを整理し、今後自分で問題を考えていくための基礎体力をつける
  (3) 一般的な知識としてではなく、具体的な問題を例にとりながら考える
の3つです。

 勉強会の趣旨(3)であるように、この勉強会での内容は同時並行して行われている「遺伝子組換えってなあに?プロジェクト」と関係しています。この勉強会で得た一般的な知識を、遺伝子組換えという具体的な問題に当てはめて考えることができるということです。

 第1回は中西準子先生の「環境リスク論」を必修文献に、岡敏弘先生の「環境政策論」を任意文献として、議論を行いました。ここではリスク・ベネフィット手法の考え方とその性質、限界について議論しました。

 第2回は廣野善幸・清野聡子・堂前雅史先生の「生体工学は河川を救えるか」、ウルリヒ・ベックの「危険社会」両方を必修文献として議論を行いました。ここでは新しい科学のあり方(モード1・2)と専門家と一般市民の性質、またリスクの存在の仕方と認識のされ方について見てみました。

 第3回は小林傳司先生の「拡大されたピアレビューの可能性ーー「コンセンサス会議」の事例」を必修文献に、遺伝子組換えについてのコンセンサス会議の事例、数ある市民参加手法のうちの合意形成、政策形成に適応できる手法を参考に議論を進めました。ここではコンセンサス会議という手法が本当に市民の意見を反映させることができる手法なのか、コンセンサス会議に出席した科学者はどのように社会に影響を与えるかについて議論しました。

 最終回では北畠能房先生の「水俣病事件から学ぶ先制的予防原理の意義」を必修文献、フォスターらの`Science and the Precautionary Principle'を参考文献に予防原則について学びました。予防原則の発生を見た後に、予防原則の特徴と問題点について議論しました。その後、今までの4回を振り返っての感想や意見をお互いに意見交換しました。

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