はまとんプロジェクト発足の経緯

はまとんプロジェクトのきっかけになったのは、2008年9月に行われた「クッチャロ湖学生環境サミットCASE1」というイベントです。日本最北のラムサール条約登録湿地の存在する浜頓別町の活性化について考えたこのイベントで、巻島隆雄(はまとんプロジェクト代表)が参加したグループが発表したアイデアがコンペで大賞をとりました。そのアイデアとは、「逆環境教育」というものでした。

「逆環境教育」というのは、浜頓別の高校生が東京の大学生に対して町を紹介するツアーを行うことを通して、自分達の置かれている自然環境を見つめなおしてもらおうというものです。浜頓別町の子供たちが浜頓別の雄大な自然に親しんでおらず興味を持っていないことを問題意識にして、従来型の環境教育とは異なる、異地域との交流事業を通した環境教育をやろう! と考えたわけです。

自分達が普段住んでいる町のことはわからなくなりがちです。私たち東京から来た人間から見れば浜頓別町の環境が特殊なものであっても、地元の人たちにとっては当たり前のものだからです。しかし、この当たり前の自然にもっと誇りを持ってもらいたいと私たちは思いました。そのために「ヨソモノ」の立場から、この自然を見た時の反応を高校生たちに目の当たりにしてもらうことで、自分達の周りの環境、浜頓別町を自慢に思ってくれれば、と考えたのです。

次世代を担う世代からのこういった動きが町全体を巻き込むムーブメントになってほしい。そういった思いで、高校生から大学生へと発信する、この事業を「逆環境教育」と名付けました。


そして、このアイデアを無駄にしたくないと思った巻島により、2008年10月に環境三四郎内部への呼びかけが行われて興味のある環境三四郎のメンバー10名程度が集められ、環境三四郎内のプロジェクトとしてスタートしました。


※その後の環境三四郎メンバー内の議論の中で、逆環境教育の本質は「教え合い」だという結論になり、そこから現地の高校生と都会の大学生が互いに教え合う「環境共育」(ともにそだてる)を本プロジェクトのキーワードとしました。本プロジェクトのサブタイトルである「北海道浜頓別町からの環境共育」には、この従来とは異なった教え合いの教育の形を浜頓別からさらに広い地域に広めていきたいという気持ちを表しています。